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別府ブルーバード映画祭 



 別府アートマンス(→ブログ)と同期して開かれたブルーバード映画祭を覗いてみる。

 会場は、JR別府駅近くに古くからあるブルーバード映画館。端っこの座席が使用禁止だったりしてなかなかレトロ。3階ホールには書棚が置いてあって、時代をしのばせる本の数かずを眺めるのもちょっと愉しい。



 以前みたので今回は観なかったが、大島渚監督の『少年』を上映していて、大島の妻・小山明子(→wikiがゲストトークしていたようだ。真木よう子は事情があって登壇できなかったらしいが、北野武の『ソナチネ』でデビューし、森田芳光の『模倣犯』(2002)や黒沢清の『トウキョウソナタ』(2008)等に出演した津田寛治、加藤雅也等も来場していた様子。


 今回みたのは『フラッシュバックメモリーズ』と『霊的ボリシェヴィキ』。

『フラッシュバックメモリーズ』(→公式)は、『あんにょんキムチ』(2000)や『童貞、をプロデュース』(2007)で知られる松江哲明(→wiki)が監督し、第25回東京国際映画祭コンペティションで観客賞を受賞した作品。
 交通事故で記憶障害となったディジュリドゥ奏者、GOMAのミュージックライブの映像や個人的な記録映像をベースにしているのだが、なんと3D映画。ディジュリドゥが前々席のところまでぐぐぐっと伸びてくる。循環呼吸でディジュリドゥを吹くGOMAのライブは圧巻で、音に合わせた体の動きも素晴らしい。
 MTBI(軽度外傷性脳損傷)によって生じるフラッシュバックが、ファウンドフッテージの理由になっているし、3Dにする必然性もなんとなく伝わってきて、けっこう好きな作品。昔、旅行で行ったオーストラリアのニンビンとか出てきて懐かしかった(香港経由で帰国したのだが、シドニーで古いケバブを食べてしまい、ひどい腹痛でちっとも香港を愉しめなかったことまで想い出す^^;)。
 2013年に全国で上映されたようだが、まったく知らなかった。地方住まいのハンディキャップを思い知る^^;。

『霊的ボリシェヴィキ』はホラー映画の巨匠、高橋洋の新作。福岡KBSシネマでもYCAMでも見逃した本作を、まさか別府の映画祭でみることになるとは。独特の肌触りをもつ雰囲気ホラー。
 レーニンとスターリンの肖像画が登場するが、「霊的ボリシェヴィキ」の内容には直接、触れず、なんとなく雰囲気でイメージさせることにとどめている。ロシア・コスミズム(→wiki)のニコライ・フョードロフは、これまで亡くなったすべての死者の復活を唱えたが、その主張が、「どうせ復活するから人を殺したってかまわないんだ」というロジックに悪用されてスターリンによる大粛清を正当化することになった…みたいな話を聞いたことがある(『ゲンロン』のロシア現代思想特集のどこかにあったような気がするが、ちょっと探しても見当たらない^^;)。このあたりが映画に参照されているような感じがした。膨大なテクスト量があると聞くパンフレットが読みたかったが、会場に置いてなかったような。気が付かなかっただけかもしれんが、受付に聞けばよかったなあ、残念。



 文中敬称略。

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新建築2018年12月号 

 NEWS:ジブリパーク構想(→愛知県の関係記事)というのがあるらしい。場所は愛・地球博記念公園。東京品川区の原美術館が閉館、というのはネットでも見かけた。大崎に住んでいた頃は何度か足を運んだものだ。2020年ドバイ国際博覧会日本館の設計は豊島横尾館などを設計した永山祐子とNTTファシリティーズ。外観CGパースが美しい。「アラベスク模様に通じる麻の葉文様を立体格子の構造体で表現し、立体格子とテント膜が日よりと風を通す役割を果たしつつ多様な光と影を演出する」。
 国交省と経団連が協力して取り掛かるスマートシティ構想。経団連が11月に「Society5.0―ともに創造する世界」を発表。

 建築論壇は若手建築家の実践と将来。
 組織系の日建、梓、竹中から一名ずつ、アトリエ系の隈研吾事務所から1名、サーペンタイン・ギャラリー・パビリオンの構造設計を担うArup(→wiki)から1名参加。日建設計の青柳はDDLに所属し、W350を担当。CASBEE(→wiki)に健康評価制度を導入した新たな認証が運用されるらしい。アメリカのWELL認証、不動産価値の向上。竹中の大石は永山祐子とともに「女神の森セントラルガーデン」(山梨・小淵沢町)を設計。梓設計の岩瀬は、2022年完成予定の台湾桃園市立図書館のプロジェクトに関わっているらしい。Arupの富岡はONOMICHI U2を担当した。オートデスクのRevitとか推してた。デザインビルドやPFI、ECIといった設計/施工方式への意見もうかがえた。
 永山祐子は久米設計や東急設計とともに、2022年完成予定の新宿区歌舞伎町の超高層複合施設計画(ホテルとエンタメ施設からなる)、新宿TOKYU MILANO再開発計画を手掛ける。
 プロジェクト12題では、伊予西条の糸PJや屋島山上拠点施設など進行中のプロジェクトを紹介。

 特集は教育施設。近場ではまず九州大学伊都新キャンパス。中央図書館イースト1、2号館(人文社会学系)とウエスト5号館(農学)。想像以上にデカイなあ。ゆるやかにS字カーブを描く棟の配置といい、キャンパスモール、インナーモール、4層吹き抜け閲覧スペースといい、ますます大学のショッピングモール化が進行(→ゲンロンカフェ:石川初×大山顕×三井祐介×東浩紀)。新キャンパス・マスタープラン2001には三菱地所やシーザー・ペリ事務所も関わっているのか。西南学院大学図書館(佐藤総合計画/施工:松尾建設)は煉瓦のトレサリー(透かし積み)が特徴的。うーん、一般見学とかできるんだろうか?

 文中敬称略。