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タグチ・アートコレクション展@下関市立美術館(2) 

 タグチ・アートコレクション展@下関市立美術館(1)からの続き。

 映像作品もいくつか展示している。

タグチコレクション
 ↑はパレスチナ問題をモチーフにした作品を手掛けてきたラリッサ・サンスール(Larissa Sansour)&ソーレン・リンドの『In Vitro』(28分)はベネツィア・ビエンナーレ2019の出品作のようだ。セリフに曰く「ベツレムはいつもゴーストタウンだった」。爆発が相次ぐ旧市街、ガスマスクを装着した尼僧、まちに溢れるどす黒いタール状の液体……。

 昔はアート映像というと無暗に難解で退屈なものと相場が決まっていたが、現在では上海ビエンナーレ2018(→ブログ)に展示された森村泰昌の長編作品などのようにドラマ性を感じさせる作品が増えてきた。ほかにもミヤギフトシ、塩田千春など。

 2階から下を見おろすとこんな感じ。

タグチコレクション
 左側に見える垂れ幕は、淺井裕介の『胞子と水脈』。2013年ターナー賞受賞者のローラ・プロヴォスト(→wiki: Laure Prouvost)によるビデオ・インスタレーションと加藤泉作品。

タグチコレクション
 ミカリーン トーマス(Mickalene Thomas)のAin't I A Woman (Keri)。額縁のなかで3分程度の歌唱付き映像が流れる。ブラックスプロイテーション的何かを表現しているのかな?

 オバマ大統領の肖像画で有名なケヒンデ・ワイリーの「We Love Peace」(2006年)やオノ・ヨーコ作品もあった。

タグチコレクション
 展示動線はちゃんとブログの〆まで考えてくれたw。↑はデンマークのアート・コレクティブ、スーパーフレックス(→wiki: Superflex)のIT IS NOT THE END OF THE WORLD。

 今年は新型コロナ肺炎に始まり、日本の熊本や中国各地の大洪水、アメリカ西部の大規模な山火事、スーパー台風(→wiki)に発達するかも、と予想された台風10号の襲来などが相次ぎ、まさに「世界のオワリ」感ハンパない。そういえば、上海ビエンナーレ(→ブログ)のテーマ「禹歩/Proregress」は、この度の三峡ダム決壊のウワサすら招いた中国各地の大洪水を予示したと言えなくもないな。

 どうか本作品のNOTの灯りだけが消えませんよーに。

 文中敬称略。

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タグチ・アートコレクション展@下関市立美術館(1) 

 下関市立美術館で『現代美術の最前線―タグチ・アートコレクション展』をみる。

タグチコレクション
 おなじみウォーホルやリキテンシュタイン、キース・ヘリングの平面作品のほか、 昨年、北九州市立美術館で開催された『激動の時代の芸術展』(→ブログ)でも取り上げられた田名網敬一のコラージュ作品(上画像)が9点。昨年初頭にみた村上隆『バブルラップ展』(→ブログ)の入口にメタル像が飾られていた空山基によるアクリル画が2点。

 昨年、豊田市美術館で大規模個展が開かれた岡崎乾二郎のPhysiognomy。Physiognomyとは人相のこと。たしかDOMMUNEで以前、紹介されていたものかな。ピカソやラウシェンバーグ、カフカ、ファン・ルナ・イ・ノビシオ(→wiki)の肖像画をAIとコラボして描いたもの。
 岡崎は下関市立美術館が立つ長府に生まれた長谷川三郎(→wiki)を「現代抽象絵画の先駆者」の一人として位置づけ、その再評価に貢献した。

タグチコレクション
 ↑は今津景の『サルダナパールの死』(左)とその習作(右)。彼女は生まれた時代は異なるが、長谷川三郎と同じく山口県生まれ、現在はインドネシアのバンドン在住。好みとするのは習作の方だなw。ネット等から採取された古典的名画画像や各種データをフォトショで引き伸ばしてトレースした下図をもとにキャンバスに油彩で描くというスタイルを続けているらしい。本作もドラクロワの同名絵画(→wiki)をベースにしている。

タグチコレクション
 手前の石膏像めいたものは、エルムグリーン&ドラグセット(→wiki: Elmgreen & Dragset)のThe Other He。LGBT的な主張だろうか。右隣にはドナ・ファンカ(Donna Huanca)のHANGISI(2017)。奥に今津景の2作品が映っている。

  タグチ・アートコレクション展@下関市立美術館(2)に続く。