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DOMMUNE2019.8.23 ~北川フラム伝 

 8/23のDOMMUNEは 瀬戸内国際芸術祭2019 DOMMUNE SETOUCHI、北川フラム伝。

 北川フラムのアート・オーガナイズ史は、78年の「ガウディ展」にはじまる、みたいに紹介されるケースもあるが、原点はそれ以前にある。

 もともと父親は、詩人で良寛研究者で共産党から衆議院に出馬して田中角栄と選挙戦を戦い続けた北川省一。1946年に生まれ、ノルウェー語で「前進」を意味するフラムの名を与えられた彼は、1960年代後半に東京芸大に入学後、第2次砂川闘争(67年)や全共闘運動に参加し、71年には齋藤和(→wiki)らと平岡正明(→wiki)のテック争議を闘うなかで何度か警察に捕まっている。

 同71年には芸大仲間とともに渋谷桜ケ丘で「ゆりあ・ぺむぺる工房」を立ち上げ、道玄坂のジャズ喫茶〈BYG>の壁画を手掛けたりしている。本人曰く、71年に故郷・新潟でおこなったジャズロックカーニバル「神無月・日本海・飢え」に山下洋輔トリオを呼んだのが、オーガナイズの原点。政治的言語の党派性ではなく感覚の党派性。

 トーク休憩にかかった音楽。『激動の時代の芸術展』(→ブログ)でもジャケが展示されていた頭脳警察ファーストは、初めて聴いたよ。もっと過激なサウンドかと思い込んでいたが、われわれはー、とか岡林信康よりちょっと烈しいアジみたいだった。
 山下洋輔による若松孝二の『天使の恍惚』(→wiki)のサントラ。――どばーっとやって死んだら死んでいいじゃないか。挿入歌の「ウミツバメ」。久しぶりに山下洋輔聴いたよ。個人的に中学・高校時代はタモリ、筒井康隆を通じて平岡正明とかも読むようになって(山口百恵のファンだったせいでもあるw)、そこから竹中労や太田竜や松田政男を知る。一方で、中野正剛や北一輝にも関心をもつ。
 ジャズでは山下洋輔→セシル・テイラーやアイラ―、スティーヴ・レイシー(→wiki)、オーネット・コールマン、ドン・チェリーといったフリージャズに走って……という前衛趣味の流れがある。(いソノてルヲの番組とかで王道モダンジャズも聴いていたが)。こういう人は当時、まわりにけっこういたと思う。



 ノイズやインダストリアルを聴きだしたのはたしか大学に入ってから。しかし、どちらかといえば身体性のより強いフリージャズのほうが好みだったな。一方で友達とディスコに通ったりもしてたが。
 会社に入って、渡米する前にビザが下りるまで3か月くらい?新横浜に近い会社の寮に入っていたが、野毛桜木町のダウンビートには何度か通ったものだ。直接会うことはなかったが平岡正明も当時、『横浜的』など書いてて下野毛界隈に住んでいたのは知っていた。ただ、時代的にクラブ系の音に嗜好が移ってしまっていたが。

 瀬戸内国際芸術祭につながる話として、足尾銅山に通った話や土本典昭(→wiki)の上映会『不知火医学としての水俣病』。

 北川フラムは77年頃?、足尾銅山?付近で、ポール立てて雷光拾って大地を光らせる試みを企てたが(天界航路?)、同じ頃アメリカでも、ウォルター・デ・マリア(→wiki)が同じようなことをやってると聞いて(ライトニング・フィールドのことだろう)、女性かと勘違いしてw「女性がやるなら譲ってやろう」と思って取りやめた話は面白かった。後年、直島の地中美術館で彼の大規模なインスタレーションが常設されることとなった。

 ほかにも、かたるーにゃ賛歌―高橋悠治の水牛楽団とのかかわり、ガウディ(→ブログ:映画『アントニ・ガウディ』)全集がらみでの磯崎新とのかかわり、など。

 そういえば、2000年には思いつきで西新宿から原付バイク走らせて第1回越後妻有アートトリエンナーレに行ったなあ。泊るところなくて野宿して頭がぼーっとしたまま回ったものだ。ミティラー美術館を知ったのはこのとき。

 北川がアートフロントでまちづくりに関わった代官山ヒルサイドテラスは今年50周年だそうだ。

 ちょっと気になって、平岡正明と北川フラムで検索してみる。こちらのブログ(→アーチャーズアイ)によると、滝本誠『渋く、薄汚れ』の「チャールズ・ウォルフォード本の解説が…」に記述ありとのこと。手元にあったので読んでみたが、滝本と北川は芸大の同期だったらしい。北川の名は平岡の『昭和ジャズ喫茶伝説』にも登場するという。

 番組の最後に、セトゲイにおける切腹ピストルズの演奏活動の様子も。秋には行こうと思ってるが、どうなることやら。

 DOMMUNE SETOUCHI 全番組リスト

 文中敬称略。

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DOMMUNE2019.3.21~CRAZY亞HORSE 

 3月21日のDOMMUNEは、CRAZY亞HORSE DOMMUNE x BRDG x Functin Lab。

 これは正直、スバラシイ。DOMMUNEのトークでなくてDJタイムのほうで2時間以上?集中して視聴したのは何年ぶりだろう。90年代後半に行ったいくつかの野外レイブを想い出した。

 Functin Labは中国杭州をベースに活動するレーベル。今回、参加したGUAN、JUAN、Kchenは杭州のvenue、Loopyの共同創設者。

 ビジュアルは日本のBRDG。ちなみにunity界でも有名なKeijiro Takahashi(高橋啓治郎)のvimeoはこちら
日中合作といえば、カドカワの日中合作映画『空海―KU-KAI』は、日中の草食合わせ技の薄味にガッカリしたが、こちらの日中合作は力がみなぎっている。中国のゲイ・シーンとかってどうなってんだろ?いや、なんとなくそういうテイストを感じてしまっただけだが。

 12月に上海双年展2018(→ブログ)に行ったが、オレは中国の現代アートの何を見てきたんだ?という感じ。次の日にそなえてクラブには行かなかったが、ただ、あてずっぽうで行ってもたぶんアタリに巡り合う確率はほとんどゼロだったに違いない。まあ、今回のイベントも、BRDGのビジュアルが伴ってこそではあるが。いずれにせよ、クラブだけでなく中国の現代アートシーンにしても、やはり半年くらい滞在していろいろ見ないとわからないもんだ。

 後半にはライブコーディングのステージもあった。

 ↓はDOMMUNE 2015/10/07 BRDG presents 浅草クレイジーホース倶楽部


 文中敬称略。

DOMMUNE2018.11.16 ~ライヴコーディング 

 11/14のDOMMUNEはレニック・ベル司会による「ライヴコーディング大百科!」。出演者は、アレックス・マクリーン(Alex McLean)、UKのメガネっ娘Lucy Cheesman、Joanne Armitage、及び田所淳、久保田晃弘。

 前の晩のヴェイパーウェイヴにはあまりノレなかったが、ライヴコーディングはオモシロイ。これまでも何度かレニック・ベル(Renick Bell)がDOMMUNEに出演して紹介に努めていたそうだが、視聴するのは今回が初めて^^;。

 ライヴコーディングはリアルタイムにデスクトップで音響合成して電子音楽を即興演奏する試み、といっていいのだろうか。演奏内容によるが、DJカルチャーに親和性が高い。

 コーディングといってもプログラミング・コードを直接打ち込むわけではない。SuperColliderやTidalCycles、FoxDotといった開発環境を使うので、(少なくとも一瞥した限りは)関数やパラメータをいじってるだけという感じ。JAVAを半年かじっただけの私としては、Processing(→wiki)の音響版みたいに見える。

 ライブコーディング・シーンは、ギークカルチャーとレイヴカルチャーの融合をはかるalgorave(→wiki)の創設者、アレックス・マクリーンによる2004年のマニフェスト?的論文、Hacking perl in nightclubに始まる(のかな)。
 メディアアートやテクノロジーアートの大御所、久保田晃弘が言うには、2004~5年頃にシーンが興り、日本では赤松武子の紹介で、2006年にニック・コリンズによるスーパーコライダー(→wiki)を使ったライヴパフォーマンスを観たのが最初。たしか、サーキット・ベンディング(→wiki:circuit bending)のイベントだったとのこと。
 宇川が言うには、2010年にオランダのスタイムに行ったとき話題にのぼっていたそうだ。



 Processingエバンジェリスト、クリエイティヴ・コーディングの田所淳も、それまでノンリアルタイムのDTMをやっていたが、ゼロ年代後半からsupercoliderやtidalcyclesを使用してライヴコーディングを行うようになったという。ICLCなどに参加して現在に至る。

 田所のライブはビジュアルも加わってカッコよかった!。

 レニック・ベルは自身でもライブコーディング用のHaskellのライブラリー、"Conductive" を作成。英語と日本語を俊敏に行き来しながらの司会、大変そうだったがよく頑張った!。


algorave.tokyoTOPLAPで、もろもろの情報が得られる。

 ライヴコーディングは、コーディングのデスクトップをスクリーンに映し出すのがミソ。ジェフ・ミルズがExhibitionistと題して、本来なら手の内を明かさないトラックメーキングのプロセスをうどんの実演販売よろしく晒していたが、この場合はスシ屋の板前が即座に握ってカウンターの前の客に食べさせる、という感じかな。

 コーダー(=演奏者)の俊敏な指さばきや手癖をみること自体が楽しいし、基本がわかっていれば、「この関数のこのパラメーターをいじったからこういう音になったんだ」的に学習することもできる。

 基礎的なプログラミングが学校教育の現場でも始まりつつあるが、プログラミングはロジックの組み立てを学ぶのが難しいポイント。その意味では、頭でイメージしやすいビジュアルや音響イメージに関わるツールで学び始めるのがベストであって、中学・高校、あるいは大学の教養部でも、アクティヴ・ラーニングの一環としてこういう試みを導入すべきだろう。

 文科省職員や学校教員も、ライヴコーディングに注目せよ!

 今回のDOMMUNEは異文化コミュニケーション教材としても最適。宇川はたまにV&Rプランニングの話などするのでw、公共教育関係者は顔をしかめるかもしれないが、クール・ジャパン担当副大臣になって、現在のクールジャパン体制を根本から叩き直して欲しいもんだ!

 文中敬称略。