UBEビエンナーレ2017 

 昨年、夏に来たときはちゃんと気づかなかったが^^;、昨今、宇部市はときわ公園に力を入れている様子だ。

 2016年3月にときわ動物園が全園リニューアルしたニュースは聞いていたので、遅ればせながら今年2月に行ってみたが、この時も動物園に足を運んだだけだった。そういやあ昨年の瀬戸内国際芸術祭で、UBEビエンナーレ2017の広報活動やってたなあ…くらいしか気に留めなかったが、続いて熱帯植物館が2017年4月29日にときわミュージアム「世界を旅する植物館」という名でリニューアル・オープン。
 UBEビエンナーレの名はこれまで知ってはいたが、正直興味なかったので^^;あまり近寄らなかったが、植物館リニューアルとの合わせわざで、久しぶりに行ってみることにした。

 UBEビエンナーレはwikiにあるように、もともと1961年に開催された「宇部市野外彫刻展」が原点で、それは「日本におけるパブリック・アートの嚆矢とも言える出来事であった」(木村重信「パブリック・アートの現在」)そうだ。65年に「現代日本彫刻展」」となり、以後2年に1度の開催が継続されている。

 つまり、今でこそパブリックアート(→wiki)は日本全国いたるところで目にすることができるが、宇部のこの取り組みは当時としては、かなり先鋭的だったのだ。

「煤煙のまち」として全国的に悪名が高かった宇部が、緑と花と彫刻のまちとしてよみがえる、というストーリーは、瀬戸内国際芸術祭の舞台である直島や豊島の試みを先駆けるものだと言って良いかもしれない。

 2009年に初当選した久保田市長がけっこう力を入れており、昨年のセトゲイでも、広報活動をしていた。「パブリック・アート発祥のまち」なんてダサいキャッチフレーズを掲げないところは評価できる。今後も全国の芸術祭や彫刻公園とできる限り連携して欲しい。

 ↓は伊藤嘉英の「森の掟」。銅製硫化仕上げ。中に入れる。


 ↓は武田克史の「言葉」。ありがちな造形だがわりと好き。観る位置によって犬にもみえる。
武田克史「言葉」

 ↓はKIM Kyoung-Min「リメンバー宇部」。ステンレススティールでできた水滴。 KIM Kyoung-Min 「リメンバー宇部」

 ↓は増野智紀の「遊」。子どもの遊具として製作された。
増野智紀「遊」

 ↓は岡田健太郎の「catch and release とらえて はなつ」。
宇部ビエンナーレ2017

 これくらいにしておこうかな。

 ライブラリーでは金浦国際彫刻公園のパネル写真展をおこなっていた。宇部空港と仁川国際空港との間で航空定期便が就航するのをきっかけに、彫刻と公園を通して宇部と韓国の交流を深めようとしているらしい。

 ライトアップされた野外彫刻群。ブログ:チームラボ「世界を旅する植物に住まう生き物たち」を観に来た際についでに見たのだが、せっかくの美術品なんだからライトアップの方法についても作家と話し合うとか、プロに手伝ってもらうとかすればよかったのに、と思うのだが。

 左側の大きいのはKIM Kyoung-Min作品。右奥にみえる赤い立体は、ときわ公園のシンボル的存在、向井良吉の「蟻の城」。
宇部ビエンナーレ2017

 熊谷文秀「空想の軌跡Ⅱ」。造形的にはこれが最も好き。
熊谷文秀「空想の軌跡Ⅱ

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小豆島2016秋~醤の郷 

醤の郷

 小豆島ではオリーブのほかにも素麺や醤油、胡麻油の生産が盛んだが、オリーブ以外については、素麺の原材料の小麦にせよ、醤油の原材料の大豆にせよ、胡麻にせよ、大部分を輸入に頼っているのが実情のようだ。

 小泉武夫の『醤油・味噌・酢はすごい - 三大発酵調味料と日本人 (中公新書) 』では、小豆島を、播磨平野のたつの市(旧揖保郡)と並ぶ関西の醤油・素麺どころとして紹介している。塩は内海湾の製塩でとれるが、大豆や麦の生産はあまり多くない。そのため、高橋文右衛門が、小豆島特産の花崗岩を積み出す船の戻りの便に、原材料の大豆・麦を積むというアイデアを起こして実行し(1804~)、これが当地の醤油産業の発展につながったという。醤油は素麺のつゆにも使用されたほか、瀬戸内で獲れた小魚を醤油で炊いた佃煮も特産品となった。

醤の郷 醤の郷

 今の教科書では定かでないが、かつて小学校では、「日本は資源のない国だから、ほかの国から資源を輸入し、加工して付加価値を付けて輸出するしか生きる道はないんだ!」と教えられたものだ。つまり、これは戦後日本の高度経済成長を支えた「加工貿易立国」モデルだ。その意味で小豆島は"加工貿易立国"日本の先駆者ともいえる。

 時間があれば、苗羽のマルキン醤油記念館にも寄りたかったが、今回はあくまで芸術祭が主目的のため、おもに作品展示のある"醤の郷"をめぐる。
醤の郷 醤の郷 醤の郷
 昔、実家の近所に醤油工場があって、麹と塩の強い匂いが今でも記憶に残っているためちょっと警戒したが、現在ではさすがにほとんど匂いがしない。むしろ、もう少し香ったほうが風情があると思ってしまう。
醤の郷 醤の郷

 ↓は清水久和の「オリーブのリーゼント」。リーゼントのかつらを置いていて、それをかぶって一緒に記念撮影する人が多かった。
醤の郷 醤の郷
醤の郷 醤の郷

↓はドット・アーキテクツ(dot architects)のUmaki camp。
醤の郷 醤の郷 醤の郷
 ドット・アーキテクツは、家成俊勝と赤代武志が2004年に共同設立したグループで、大阪・北加賀屋を拠点に活動している。北加賀屋といえば、「メセナアワード2011」で大賞を受賞した千鳥土地(株)の「KCV(北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ)構想」(→おおさか創造千鳥財団)に基づいて「芸術・文化が集積する創造拠点」を目指している地域。これからどのような広がりを見せるか注目が集まっている。小豆島・醤の郷でのプロジェクトでは、誰でも自由に使えるキッチンやスタジオ、野菜畑、屋外シアターなどからなっている。

小豆島2016秋~馬木 

サヘジ・ラハール

 馬木にある元農協の倉庫にはサヘジ・ラハールの作品がある。醤油の原材料である大豆を保存していた倉庫らしい。作品は、凄みのある造形と土の質感がじつに良い。このあたりで採れた土だろうか。何かが籠っているという感じだ。

サヘジ・ラハール サヘジ・ラハール サヘジ・ラハール
サヘジ・ラハール サヘジ・ラハール
サヘジ・ラハール サヘジ・ラハール サヘジ・ラハール

サヘジ・ラハール
サヘジ・ラハール サヘジ・ラハール

 馬木ポンプ場のあたりは、オリーブの加工場があるのだろうか。良い香りが仄かに立ち込めている。
サヘジ・ラハール

 しばらく歩くと元は醤油工業組合の事務所だった建物があって、なかにはソサ・ジョセフの絵画が展示してある。
城戸崎ゼミ+graf 城戸崎ゼミ+graf

 裏庭から竹林の小径をあがっていくと「竹の茶室」が立っている。京都造形芸術大学城戸崎ゼミ+grafの作品。
 公式ガイドの写真をみてホントにひょうたん型の茶室かと思って期待していたのに話が違うじゃん(笑)。公式ガイドは2016年から春・夏・秋の3部冊でなくなったため、製作段階では秋の新作までカバーできなかったというわけね。

城戸崎ゼミ+graf
城戸崎ゼミ+graf 城戸崎ゼミ+graf
城戸崎ゼミ+graf 城戸崎ゼミ+graf 城戸崎ゼミ+graf