ナショナルジオグラフィック2015年6月号マリファナ特集 

 なんと、ナショナルジオグラフィック日本版6月号がマリファナ特集を組んでいる。ナショジオといえば、公立図書館に置かれることも少なくないオーセンティックな雑誌のイメージがあるが、一瞬、HIGH TIMES誌の表紙かと見違えるほどだったw。

 現在アメリカでは、大麻を容認する動きが広がってきている。アラスカ州、ワシントン州、コロラド州ではすでに合法化。カリフォルニア・ネヴァダを含む多くの州でも、軽い交通違反程度の罰則となっている。前世紀末、南カリフォルニアに住んでいた頃にも、当地の新聞などで、マリファナを医療目的で使用することの是非をめぐって州議会でどうのこうの、という話題をよく目にしたものだが、いよいよ時代はここまできたか、という感じだ。

 その背景には、「マリファナには一定の薬効成分がある」という事実が、科学的に明らかになってきた事情がある。記事によると、アメリカでは1930年代まではチンキ剤などとして普通に使用されていたが、30年代後半になって、ゲートウェイドラッグになるという理由で使用禁止を求める動きが激しくなり、法制化に至ったらしい。現在でも、アメリカ連邦法では違法薬物に指定されている。
 とはいえ、科学的な調査・研究の積み重ねによって、今では「痛みの緩和や睡眠導入、食欲増進、不安や精神的ショックを和らげることが明らかになりつつあり、鎮痛薬や吐き気どめ、気管支拡張薬、抗炎症薬としての利用が期待されているようだ。これは、昔からカウンターカルチャーの世界ではよく主張されていたことだ。但し、全く無害の薬とは言い難く、いくつかの副作用も指摘されている。

 マリファナを使用する傾向は、アメリカだけにとどまらない。掲載されたUNITED NATIONS OFFICE ON DRUGS AND CRIMEの統計によると、15~64歳で、2012年中にマリファナを1回以上、吸引した人の割合が12%を超える国は、アメリカ(14.8%)、ニュージーランド(14.6%)、カナダ、アイスランド。8%~12%ではフランス、スペイン、チェコ、オーストラリア、ブラジル、ザンビアなど。かつてはアムステルダムのコーヒーハウスで有名だったオランダは7.0%。意外なことに麻薬戦争が取り沙汰されるメキシコ(→ブログ:映画『皆殺しのバラッド』)は1.2%。この数字はちょっと信じがたい。他の麻薬のほうが一般的ということか。それとも、麻薬生産国だからといって、ユーザーが高い比率で存在すると思い込むのは偏見でしかないのか。

 ナショジオの特集では、テルアビブのラファエル・メコーラムによる成分分析や、コロラド州の大麻製造販売会社、マインドフル社へのインタビューなども取り上げている。「マインドフル」という社名には、Wiredあたりに漂っているカリフォルニアン・イデオロギーのフレーバーが薫っている。

 なお、5月25日発売の日経サイエンス2015年7月号にも、デヴィッド・ヌーナンによる「マリファナ医薬の将来」と題した記事が載っていて、カンナビノイドやカンナビジオールといった大麻の有効成分の話や、1960年代に自分の息子が抗癌剤治療で吐き気に苦しむのを見てマリファナを処方した、現在、ハーヴァード大学の名誉准教授グリンスプーン(Lester Grinspoon→英語サイト)の話などを読むことができる。

 果たしてこのトレンドは、日本でも広がるのだろうか。もうすでに、2013年における関西4私大の薬物意識調査で、「大麻入手は可能だ」と答える学生が6割を超えている。2009年にこの数字が3割だったことを考えると、その可能性は低くない。ただ、カジノがいまだに解禁したわけではないこと、最近はアメリカでの流行が、そのまま日本で流行するわけではないことなどを考えると、一概にそうとも決めつけられない。

 余談ではあるが、2ちゃんで大麻解禁関連のスレッドが立つと、反対意見のほうが多いようだ(ちゃんと確認したわけではないが)。SNSデータの統計で、嫌韓意見と大麻解禁反対意見の相関をとると、興味深い結果が得られるかもしれない(もうすでに分析結果があるかも)。

 今後、考えられることとしては、アメリカでの大麻解禁の動向や問題点の洗い出しを見据えたうえで、民主党あたりが「制約条件つきでの」解禁策を打ち上げるかもしれない。脱法ドラッグよりは問題が少ないし、新たな税収源として期待する政治家・官僚もいるだろう。ひょっとすると、脱法ドラッグが「危険ドラッグ」という名になったのは、将来的にマリファナを「安全ドラッグ」と呼ぶための布石なのかもしれないw。禁煙人口の拡大を受けて新たな収益源が欲しい日本タバコも、もうすでに秘かに調査・検討を開始しているのではないか。

 地方活性化策として「大麻特区」というのも考えられよう。所持量や消費量、生産量に制限を設け、ゲートウェイ・ドラッグにならぬよう、警察の査察を受け入れる形などにして、むしろ昔から日本の大地に息づいていた大麻文化を、野外フェスや野外レイヴといったユースカルチャーにからめられるなら、社会実験として意義があるはずだ。
 私見では、少なくとも過剰摂取した場合は、車の運転は禁止した方が良い。また、先述の雑誌記事にも書かれているように、継続的な摂取についても副作用が指摘されている。

 1960年代に青春を謳歌した団塊世代が定年を迎えて大金と暇をもてあます時代、自由を夢みたあの時代を懐かしんで田舎に移り住み、慎みを知る「大人のマリファナ文化」をエンジョイする、という方向にコトが運ぶなら、まあ、個人的にはオモシロイと思う。

 アメリカではヒッピー・カルチャー/対抗文化が一時的な流行に終わることなく、カリフォルニアなど西海岸を中心にローカル文化として根づいてきた。現在の大麻解禁的トレンドも、そうした「文化」を大切にしてきた人たちが、解禁に向けて執拗に活動を続けてきた成果でもある。また、現在のアメリカが民主党政権下にあることも、きっと無関係ではない。ブログ:映画『皆殺しのバラッド』では、コロラド州の大麻解禁は「メキシコの麻薬カルテルに資金が流れないための苦肉の策」と書いたが、理由はもちろんそれだけではない。

 とはいえ、日本では団塊世代がマリファナに関心を示す例はほとんど聞いたことがない。黙って時おり海外旅行の際にしれっとやってる連中が多いのだろうが、しょせんは大学紛争と同様に「若気の至り」だったということか。あるいは、生真面目で働き者が多い日本人には、大麻のようなダウナー系より、お茶やコーヒーのようなカフェイン系か、メタンフェタミン系のアッパー系のドラッグの方がお好みなのかもしれない。

 いずれにせよ、世界は大きく変貌を遂げようとしている。オルダス・ハクスリーの『すばらしい新世界』が予言した世界は、リアリティによっていくらか見直されながらも、そのユートピア性もディストピア性も含めて、徐々に着実に実現されつつある。われわれはわれれのが欲しがるものによって制御され、われわれが愉しむものによって破滅への道をたどる……。

ポットショップ
 上の写真は1990年代後半のバンクーバーで撮ったポットショップ。
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5月の菜園2015 

5月の菜園

 5月の菜園は豊かだ。

 2月末に植えたジャガイモが、5月の陽光を受けて艶のある葉を大きく広げている。タマネギの球も大きく膨らんできた。ニンニクもいい感じに葉が枯れてきて、収穫が待ち遠しい。
 ソラマメも数多くのさやが空にむかって勢いよく膨らんでいる。中身の重みで垂れ下がってきたら食べごろだ。

ソラマメ ソラマメ

 高畑勲監督のアニメ『かぐや姫の物語』では、竹から生まれたかぐや姫が、異常な速度で成長していくさまがよく表現されていた。姫は近所の子どもたちに「たけのこ」と呼ばれるが、これは春のタケノコの成長が、ほかの植物に比べ目立って速いことに由来する。
 ウチの菜園にタケノコはないが、代わりにアスパラがある。アスパラの成長も驚くほどで、4月後半からにょきにょきと生えてきて、2日に1度は料理に使える。ちょっと短いかな~と思って1日目を離すと、あっという間に50センチ以上にもなる。スーパーで売っているようなまっすぐなものは少なく、ほとんどクネクネ曲がっている。

 この時期、収穫できるのは、アスパラとニラとワケギ、あとはプランターのサラダ菜くらいだ(味で言えば、サラダ菜よりレタスのほうがよかったかも)。

アスパラガス アスパラガス

 昨年3月に実験的に植えたアーチチョークが冬を越して、邪魔になるほど葉を生い茂らせている。つぼみも成長している。ヨーロッパなどでよく食べられているが、一度も口にはした覚えがない。昨年はいつのまにか収穫時期を逃して食べそびれてしまった。まあ、巨大アザミを目で楽しんだから良しとする。花が咲く直前くらいが食べどきのようで、今年は逃さないよう注意しよう。

アーチチョーク アーチチョーク

 4月頭に苗を植えたキャベツとブロッコリーが、だいぶ大きくなってきた。なんとか梅雨時のナメクジにやられる前に収穫できれば良いのだけど。

トンネル栽培 キャベツ
キャベツ ブロッコリ

 G/Wは夏野菜の仕込みの時期だ。ゴーヤ4本、ナス2本、キュウリ4本、オクラ2X2本、モロヘイヤ2本、あとバジルを植えた。ピーマンは、1番花が咲く頃に植えた方が丈夫と聞くのでまだ植えていない。

 酢橙が可憐な白い花をつけている。

酢ダイダイの花 酢ダイダイの花

自家菜園Jan.2015ほか 

 正月1日は暴風雪に見舞われたが、昨日今日は気温も上昇し、とりあえずは穏やかな晴天が続いている。
 寒を通すと野菜が旨くなると聞いたことがあるが、確かに菜園で朝採りした白菜やダイコンが心もち美味しく感じられる。まあ、1日2日程度の寒波で効果があったとは思えないが。
 この時期の菜園には、9月下旬に苗を植えたキャベツと白菜が大きく育っていて、12月初旬頃から必要に応じて収穫している。採り初めより1~2回り大きくなって、よく締まっている。

 同時期に種を蒔いたダイコンも育っているが、スーパーで見かける巨大なものと比べると見劣りがする。もっと土を深く掘って、肥料を多めに与えたほうがよかったのか。ダイコンは植え替えてはいけないと何かの本に書いてあったが、実験的に芽が出てから何本か植え替えてみた。成長は遅いが、ちゃんと育っているように見える。ただ、大根は抜いてみないと分からないので、しばらく見守ることにする。大根の葉が好きなのだが、放っておくと葉が固くなる。以前、田舎の民家の畑をいくつかみて回ったが、肥大した根を土に残したまま、大根の葉だけをスパッと切って取り去ったのを見かけた。根が大きくなったら、葉だけを収穫するという手もあるのかもしれない。

 10月に入って苗を植えたブロッコリーは、トンネルをしなかったせいでアオムシ対策に追われた。ムシはできる限り手で取り去ったものの、12月の強風で根元から折れて10本中3本が台無しになった。植え方が浅かったせいもあろう。トンネルを掛けていれば、暴風対策にもなったに違いない。トンネルは虫に対して完璧な防衛策とはならないようだが、9割防ぐだけでも充分だ。

 10月に植えたニンニクは順調に葉を伸ばしているが、前年に比べると育ちが少し悪いようにも思える。11月末に植えたタマネギもイマイチだ。思い過ごしということもあるので、デジカメで毎年記録する習慣を身に着けたほうが良さそうだ。しなくて良い心配をせずに済ませられる。

 ホウレンソウは、1回目に種を蒔いたものが成長をやめた。その代り、「寒さに強い」と袋に書いてあったので試しに12月頭に植えてみた2回目のものが、ようやく芽を伸ばしてきた。

 畑と空き地の境には、老親が昔植えたパール柑、八朔、伊予かん、橙の木が育っている。酸味が強くてあまり食べる気のしない八朔が最も大きく枝を伸ばし、甘みのある伊予かんの木が小さいままなのはどういうことか。パール柑は夏に摘果したはずだが、やり方がよくわかっていなかったのか、実がなりすぎて一つ一つの実が小さい。

 故郷に帰ってきてよかったと思う(数少ない?)ことの一つは、魚が実に美味しいことだ。魚食文化は東日本と西日本で大きく異なる。東京では何はともあれ「マグロ」だが、こちらでは、大トロ以外の、マグロの赤身はあまり好んで食べようとしないようだ。東日本の人は主にマグロやサンマ、カツオといった赤身の魚を好むが、西日本では一般にタイのような白身魚の方を好む。鯛のアラなど東京のスーパーではほとんど見かけなかった気がするが、故郷に帰ってきてこれほどウマイのか!と感心したほどだ。

 21世紀に入ってからのことだと思うが、地元ではいつの間にかアンコウの水揚げ量が膨れ上がっていて、スーパーでもよく見かけるようになった。以前は食べ方が浸透していなかったのか、スーパーによっては、鍋用におろしたものに、アンキモを添えていないという驚愕すべきこともあったが、最近はそんなことはない。アンコウは白身肉よりも皮やエラ、ヒレのゼラチン質の部分がウマイ。体長が大きい方が美味しいのだが、出回っているのはほとんど小ぶりのものだ。しかし、値段はとにかく安い。季節外れの初秋には、まあまあの大きさなのに500円しないという、東日本のアンコウ好きが聞いたら絶句しそうな破格値を見かけたことがある。買わなかったので味の方は未確認だが、ネットの情報によると夏のアンコウもマズくはなさそうである。「アンコウといえば冬!鍋!」というイメージを覆す夏のアンコウ料理が生み出されると、消費量が増すだろう。

 タイの刺身はやや甘い濃口醤油で食べるが、ブリやヒラマサは酢醤油で食べるのが好きだ。「刺身に酢醤油」は当たり前だと思っていたが、「刺身」「酢醤油」で検索すると、意外にも沖縄だけだったりする。確かに外で食べるときには酢醤油が出てくることはないが、脂のたっぷり載ったブリなんかは、酢醤油で食べた方がさっぱりしてゼッタイ美味しい。

 この場合、酢はやっぱり市販の醸造酢より橙を絞った自然の酢を使った方が断然良い。橙を2つに割って酢を絞ると、絞った手に橙の香りが移ってじつに爽やかな気分になる。さらに言うと、スーパーで刺身パックを買うと大抵ついてくる千切りダイコンも、自家製のダイコンを千切りにした方が数倍ウマイ。