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DOMMUNEメモ5 

 11月7日のRyo FujimotoのDJプレイには感動したものの、せっかく山口市に当日いながら9日のYCAMDOMMUNE、「山川冬樹/「パ」フォーマンスプラクティを見逃してしまった――実は直前に教えてもらったのに、すでにタルコフスキー『サクリファイス』を観るモードになっていたので急な切り替えができなかったわけだが――。

 ということで11月15日のDOMMUNEは、いとうせいこう司会によるAMAZING BANG・REVERSE4。前回のプロジェクション・マッピングに続いて、メディアアート・インタラクティブへの参加性、と題して杉本達、土井昌徳、石多未知行、瀧健太郎(パリからのビデオ出演)が登場。今回は珍しく生配信ではなく、1時間前に撮影したもの。

 3万円台で買えるバッテリー駆動のミニプロジェクター(例えば⇒)を動く空洞オブジェの中に仕込むなど、メディア・テクノロジーの進化に伴いディスプレイや投射機器、投射対象が多様化することで、映像の世界ではプロジェクション・マッピングに限らず、さまざまな可能性が広がってきた。神戸ビエンナーレ2013でみた安蔵隆朝の作品などもそうした新しい試みの一つだろう。

 つまり、映像内(=何を映すか)だけを考える時代はすでに終わり、映像のフレームを取り払って、観客を含む「上映環境」と直接交わることが求められる時代に変わりつつあるのだ。映像のうつる「映像視聴空間」を合わせて考えることで「映像内空間」をも変容させ、「平面的に見る映像」から、セノグラフィの世界、空間演出にもつながる「奥行きのある映像」、「感じる映像」の世界に進化するということ。また、各種センサーが安く入手できるようになり、インタラクティビティを導入して、観客に見せるだけでなく、参加性を促す試みも、以前に比べ容易になってきた。そこまでなると最早「体験する映像」である。これはもう、映像におけるエリカ・フィッシャー=リヒテ言うところの「パフォーマンス的転回」の一環とみていいだろう。

 プロジェクションマッピング協会の代表理事を務める石多氏はもともと空間演出家であり、会場の天井や壁に大量の布を配してそこに映像を投影するなどの活動をおこなってきた。

 土井氏はCGクリエイターでSUPER EYEの代表取締役社長を務める。両者は逗子メディアアートフェスティバルに深く関わっている。


 番組内で紹介された映像をいくつか。
 ANTIVJによる、逆プロジェクション・マッピング――作りこんだ映像に合わせて、投射する壁に黒線でグラフィックを施し、投射の仕方で平面の壁を立体的に見せる試みが面白い。

O (Omicron) from Romain Tardy on Vimeo.



MIT Media LabのTangible Media Groupによるプロジェクトは映像と可触的移動体が混在し相互作用する新しい「リアル」を見せてくれる。


 欧米では大手のエンタメ企業も研究開発部門を備えていて、新しい取組に資本投下しており、その成果がいくつか目に見えるものとなっている。たとえば、Disney Researchの新技術HideOut。日本のテレビ局も今のうちにこうした新しい取り組みに資本投下や仕事の発注をおこない、若い才能を育て、地域のイベンターと共にシーンを盛り上げることで、生き残りをはかっていくのが望ましい。