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YCAM爆音映画祭2018 

 今に始まった話ではないが、樋口泰人のYCAM爆音映画祭はじつに素晴らしい。

 とにかくポートフォリオの組み方が良い。新作映画、過去の話題作、2次元アニメ、3次元アニメ、ドキュメンタリー……。映画だけでなく、(今回は)Netflixオリジナルアニメまで含んでいる。製作国も日本、アジア、アメリカ、ヨーロッパをカバー。内容もミュージカル、SF、ホラー、アクション、現代劇、時代劇、歴史映画、アート系など多岐にわたっている。全体的に音響重視なのは、爆音/YCAMならではの特徴だが、そこに縛られているわけでもない。
 シネフィルや映画オタからライトファン、暑くて観光地めぐりできない旅行者、盆の帰省でしかたなく山口に戻ってきてヤルことない人まで?幅広くターゲットに含めている。

 また、今回から?モーションロゴまで導入し、ゲストトークには『バンコクナイツ』の富田克也、相澤虎之助、アニメ評論家の土居伸彰のほか、黒沢清監督まで招待していて力が入っている。

 観たい映画が目白押しだったが、人は映画のみによって生きるわけではない。

 今回、観たのは湯浅政明(→ブログ)のDEVILMAN crybaby、ウェス・アンダーソンの『犬ヶ島』、バーフバリ2作。

 DEVILMAN crybabyこちら

 ウェス・アンダーソンの『犬ヶ島』はストップモーション・アニメ。魚やタコをさばいてスシにするまでの過程をアニメ化している場面がすごかった。あと、「ウジのわいたスナギモ」とか、日本のアニメでは絶対みられないような場面も。映画内に登場するテレビ映像は2次元アニメ。ウェス・アンダーソンはこれまで、自分のなかでは評価低かったが、一気に爆上げ。恥ずかしながら未だ観てなかったが^^;彼はすでに『ファンタスティック Mr.FOX』(2009)でストップモーション・アニメの脚本・監督を手掛け、アヌシーの長編部門グランプリを受賞している。そうね、実写作品もアニメとしてみればよかったのかも。
 樋口泰人の前説によると、犬が島のモデルはセトゲイの行われる犬島(→ブログ)。確かにゴミ島という設定は、銅の精錬で公害が問題となった犬島を想わせる。同じ瀬戸内海の大久野島(→wiki)は、旧日本軍の毒ガス製造で知られるが、今ではウサギが大量に発生し、犬島同様、外国人が多く訪れるらしい。


 話題になっていたバーフバリをようやく爆音映画祭で。『バーフバリ 伝説誕生』、概要はこちら(→wiki)。多くの場面でCGIが使われているのはわかるが、ほとんど違和感を抱かせない。アティラピリー滝が圧巻で、これもCGIをガンガン使っているハズなのに、驚くほどフォトリアル。ハイデラバードとカリフォルニア・サンタクララに本社があるMakuta VFX(→wiki:Makuta VFX)が手掛けている。インドは映画大国なので、国内及びアメリカのVFX技術に相当額の資本を投じている、ということか。しかも、いわゆるボリウッド(ムンバイ)ではなく、世界最大の映画スタジオと言われるラモジ・フィルムシティ(ハイデラバード)で製作された。ハイデラバードは1990年代からハイテクシティとして知られていたが、21世紀のボリウッド、否、21世紀のハリウッドを目指しているのかもしれない。

 すっかりポリコレに支配されたハリウッドでは最早ほとんどつくられることがなくなったような、すがすがしいばかリのマッチョ全開ムーヴィー。ヒンドゥー教のモチーフを少し扱っているが、ハイデラバードの主要言語である、ドラヴィダ語族のテルグ語映画ということで、「ヒンドゥー・ナショナリズム」のそしりから免れていると言える(のかな?)。

バーフバリ 王の凱旋』。ポリコレに半ば順応した身としては、前作は正直、ストーリーは単純で古臭いし、大戦闘シーンや肉弾戦が多くてマッチョ色がきついし、ちょっとなあ……と思ったが、こちらはファンタジックな仕掛けとかあって、素直に愉しめた。

 翌日に同じくインドのラーフル・ジャイン監督の『人間機械』(原題:Machines)をやってて、事前情報から想像するに、『リヴァイアサン』系(→ブログ)のようで、ちょっと見たかった。邦題の「人間機械」はクラフトワークのThe Man Machineに掛けているのかな。ただ、宿泊できず観なかった。できればバーフバリ2作の間に挟んで欲しかった(笑)。

 文中敬称略。

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