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アニッシュ・カプーア in Beppu/Concept of Happiness 

コンセプト・オブ・ハッピネス

 ヴォイド・パビリオンVを観終わって、別府公園をさらに先に進むと、↑のような黒っぽいパヴィリオンが見えてくる。ここが『コンセプト・オブ・ハピネス』の会場だ。内部は写真撮影禁止。
 なかには、獣の血みどろの内臓をぶちまけたようなシリコン作品が並んでいる。

 アニッシュ・カプーアは90年代初頭に話題になったので、作品はいくつか観ている。たしか水戸芸術館でみたおぼえがあるし、福岡市美術館にも作品が収蔵されていた。未見だが、金沢21世紀美術館には、『L'Origine du monde, 2004』という、クールベの有名な絵画を意識した作品がある。パンフレットに載った写真をみると、今回のヴォイド・パビリオンVに通じる作品のようにみえる。

コンセプト・オブ・ハッピネス

 奥の部屋では、BBCのMatthew SpringfordがプロデュースしたThe year of Anish Kapoor(2009)を上映。こういう良質のアーティスト・ドキュメンタリーが、イギリス人大衆のアート・リテラシーを高めているんだろうな。

 イラク系ユダヤ人の母とヒンドゥー系の父のもと、インドのムンバイに生まれた彼は、十代後半にインドからイスラエルのキブツに移り住んだ。内臓ぶちまけ作品はShooting into the Corner(2009)の残留物だろうか。大砲で隣の部屋の壁面に、内臓めいたシリコンの塊を撃ちこむというもの。本人曰く「私がやってきたことの中核だと言える」。ウィリアム・バロウズのショットガン・ペインティングを想わせる。たしか日本の具体派にも、上空のヘリコプターから絵の具缶を下に敷かれたキャンバスに落下させて…という作品があったような気がする。
 ……スヴァヤム(発生)は映画『暴走機関車』(→wiki)が着想源だという。テート・モダンでのマルシアス(2002)やシカゴ・ミレニアムパークでのクラウド・ゲート(別名シカゴ・ビーン)の話。キュレーター氏曰く「カプーアの作品はとっつきやすい。鑑賞しがいがある。歴史への言及もない」。
 カプーアの巨大作品は、絶対に継ぎ目を見せてはならない。卓越した溶接技術を要求する。「(彼の作品は)既知と未知で感情を引き込む」、「「既存のカテゴリーの中間にあるもの」、「意味と無意味の間にあるもの」、「色というモノ」。
「意味への道は直線ではないかもしれない」「赤は青につくれない黒をつくる」、「スピリチュアルなものはつくれない。ただ、それがあることを感じさせるだけ」など名言も数多く出現。

別府公園

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