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キネマ旬報2020年7月上旬号 ~2000年代外国映画ベストテン 

 キネマ旬報2020年7月上旬号の特集は、2000年代外国映画ベストテン。

 ゼロ年代はネット上のコンテンツや西洋美術史その他に関心が移り、最も映画を見なかった時代だ。21世紀になるとともに、人びとの関心をインターネットに奪われたハリウッドは元気を失った、などと囁かれた風潮に影響された面もある。大高宏雄のコラムにも、80年代~90年代に続いた洋画の隆盛が、「21世紀に入った時点あたりから、その勢いに陰りが見え始める。逆にテレビ局映画やアニメーションなどの邦画に若い層の関心の度合いが高まり、邦洋のシェア逆転の事態を呼び込んでゆく」とある。

 第1位は、2020年(第92回)米国アカデミー賞(→ブログ)で作品賞・監督賞を受賞したポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』。ポン・ジュノは本作が公開されたときにアカデミー賞外国語映画賞を与えて欲しかったなぁ、という思いの表れかな。確かに映像は好かったが、ビデオだったかDVDだったかで視聴したこともあり、特に強烈な印象はなかった。第2位はウォン・カーウァイの『花様年華』。う、見逃してるよ!。今になって自分がずーっと監督名を「カーウァイ」ではなく、「カーウェイ」で記憶していたことに気づいて愕然とする(笑)。
 第3位はイーストウッドの『グラン・トリノ』。テレビモニターで視聴すると、飲酒や雑念に影響されやすいというのもあろうが、さほど面白いとは思わなかった。ゼロ年代がイーストウッド一択状態だったのは納得済みだが、個人的には『ミスティック・リバー』、『ミリオンダラー・ベイビー』、『硫黄島からの手紙』の順番かな? 同第3位はクリストファー・ノーランの『ダークナイト』。これもDVDで、あまりスゴイ!と思った記憶はない。第5位は『インヒアレント・ヴァイス』(→ブログ)のP.T.アンダーソンによる『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』。小倉昭和館で観た。ロサンゼルスの石油採掘はアメリカ近現代史において極めて重要だが、映画としては『マグノリア』のほうが好きだったな。
 第6位はアンドリュー・ラウの『インファナル・アフェア』。ギャング映画はあまり好まんので見てへん。同票6位はイーストウッドの『ミリオンダラー・ベイビー』。これは自宅のビデオで見たのに強く印象に残っている。エンディングに引用されたイエーツのイニス・フリーにはぐっときた。キネ旬90年代外国映画ベストテン(→ブログ)で第一位に輝いたエドワード・ヤンの『ヤンヤン 夏の想い出』。なんと!これも見ていない。
 第9位(10点)は以下の通り。イ・チャンドンの『オアシス』は未見。ワン・ビン『鉄西区』、長過ぎてみてへん。コーエン兄弟(→wiki)の『ノーカントリー』。これはDVD?で観た。個人的にはゼロ年代第1位だな。デヴィッド・リンチの『マルホランド・ドライブ』はロサンゼルスの記憶がまだ鮮明だった時代に東京都内某映画館(おぼえてへん)で見た。リンチはひと月くらい前にアマプラで『アートライフ』を視聴。『ミスティック・リバー』は東京の某映画館(えっ!これもおぼえてへん…)で見た。

 アンケート結果のリストを眺めながら記憶を手繰ってみて現時点の「私の好きな10本」をあげると以下の通り。

・『ミスティック・リバー』:イーストウッド
・『ミリオンダラー・ベイビー』:イーストウッド
・『ノーカントリー』:コーエン兄弟
・『ダンサー・イン・ザ・ダーク』:ラース・フォン・トリアー(→wiki
・『ミュンヘン』(→wiki)byスピルバーグ
・同じくスピルバーグの『マイノリティ・リポート』。
・『イントゥ・ザ・ワイルド』(→wiki
 これはジョン・クラカウァの原作が昔日のバックパッカー心をくすぐったせいでもあるが、山口県教育会館でみたショーン・ペンの映画の方もわりと好かった。
・『レイチェルの結婚』(→wiki
・『コロッサル・ユース』:ペドロ・コスタ(→wiki
 ビデオでみた『ヴァンダの部屋』も好かったが、ここは映画館でみた方のこれ。10年代にはYCAMスタジオCで『スウィート・エクソシスト』、『ホース・マネー』(→ブログ)をみている。
・『パラノイドパーク』:ガス・ヴァン・サント(→wiki
 ゼロ年代のガス・ヴァン・サント作品では、『エレファント』と『ミルク』はDVDでみたが、『ジェリー』や『ラストデイズ』は未見。wikiを見て、彼が10年代にグザヴィエ・ドランの『わたしはロランス』(→ブログ)をプロデュースしたことを知る。

うーん、もうあと5本(つか6本)選ぶとすれば。
・『A.I.』:スピルバーグ
・『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
・『マルホランド・ドライブ』:デヴィッド・リンチ
・『ヴェルクマイスター・ハーモニー』:タル・ベーラ(→wiki
・『ウェイキング・ライフ』と『スキャナー・ダークリー』byリチャード・リンクレイター(→wiki

1票以上入った425本(?)中、ざっと70本みてる。映画オタの足元にも及ばないが、個人的には「最も映画をみなかった」というわりには意外と見ているような気もしてきた(笑)。ただこれは、10年代になってからDVDや配信で視聴した作品も含むから。たとえばこの時代に勃興した韓国映画とかは、まだあまり見ていなかったりする。
 鬼塚大輔による「キーワードでふりかえる2000年代」で、韓国映画の「容赦なさ」について語っているが、これには同感。映画ではないが、韓国系資本の宿泊施設や文化施設を利用しようとクレジットカードで予約したとき、キャンセル料金が、2日以上前でも全額没収という設定だったことがあった。まあ全施設を確認したわけではないし、たまたまそういうことがいくつか重なっただけかもしれないが、韓国は「容赦ないなぁ」と思った次第。そういえば、ソウル市長のパク・ウォンスン(→wiki)がセクハラ疑惑の最中に「自殺」。
 韓国のリアル・ポリティクスもまた容赦ない。

 文中敬称略。

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