a+u 2017:05~米国の若手建築家 

 a+u 2017:05 は、平野利樹(高松伸研究室→プリンストン→隈研吾研究室)が"キュレーション"する「米国の若手建築家」特集。取り上げた6組の建築家に見られる傾向を以下の3つにまとめて紹介。
新コラージュ主義
新しいアニミズム
物理空間と情報空間の相互作用
 そこには、10+1 201612 (奇妙で不可解な)オブジェクトへの回帰によって建築に紹介されたグレアム・ハーマンらのOOO(オブジェクト指向存在論)の影響が感じられるという。

 ① 新コラージュ主義は、マーク・フォスター・ゲージやアンドリュー・コバック(→wiki:Andrew Kovacs)、ヒメネス・ライ(Bureau Spectacular)等に見られる傾向。
 1970~80年代のポストモダニズムに見られたコラージュに近いが、ポモではコラージュされる要素に意味が込められたのに対し、「新コラージュ主義では、それぞれの要素は建築の機能との関係性や特定の意味に還元されないオブジェクトとして扱われている」。

 M.F.ゲージ(→wiki:Mark Foster Gage)はキットバッシング (kit-bashing)という手法で高解像度の豊富な形態ヴァリエーションを実現する。経歴としては、ノートルダム大学で古典建築を学んだ後、イエール大学の修士課程に進み、グレッグ・リン(→wiki:Greg Lynn)やフランク・ゲーリーらとともにスタジオを指導。
 ゲージは昨年、デヴィッド・ルイ(David Ruy)やトム・ウィスコム(→wiki:Tom Wiscombe)、su11のフェルダ・コラタン(Ferda Kolatan)、後述のマイケル・ヤング(Michael Young)ら建築家のほか、ジャック・ランシエールやグレアム・ハーマン(→wiki)、ティモシー・モートン(Timothy Morton, 1968~)、"The Body in Pain"のエレイン・スカリー(→wiki:Elaine Scarry)といった哲学者や"ステージド・フォト"の代表作家グレゴリー・クリュードソン(→wiki:Gregory Crewdson)等をイエールに招いて、美学の行動主義(Aethetic Activism)と題したシンポジウムを開催。また、亡くなったザハ・ハディドのパートナー、パラメトリシズムのパトリック・シューマッハ (→wiki:Patrik Schumacher,→太田佳代子×藤村龍至×東浩紀@ゲンロンカフェ)とも議論を重ねている。
 ゲージは言う。「グーグルによって誰もがすべてを知っているこの世界で、唯一残された価値のあるものとは謎だと考えています。建築はそういった謎をもっとも濃密に作ることができる数少ない場所の一つなのです」。



 ヒメネス・ライ(Jimenez Lai)は台湾生まれ。ドラえもんやドラゴンボールに夢中だった少年時代にカナダに移住し、トロント大学で美術史を専攻した後、建築学部の大学院に進む。NYのOMAに勤務中、A.コバックに出会う。MOMAが「ホワイト・エレファント」を収蔵。彼はマイケル・メレディス、A.コバックとのチャットによる鼎談で、Mess is More、僕たちの作品はすべてこれで説明できる、と語る。3人曰く「米国では、ヨーロッパや日本に比べて若手に実作の機会がない」。

 ② 新しいアニミズムは、ヤング&アヤタのBase Flowers(テトラポットの生命的展開?)やLADG(Los Angeles Design Group)の48 character(サエボーグっぽいなー)、エリー・アブロンズの作品にみられる生命感のあるモノ。

 ヤング&アヤタ(→YOUNG & AYATA)はマイケル・ヤングとクータン・アヤタ(Kutan Ayata)が建築とアーバニズムの概念的、美学的可能性を探求するために2008年にNYで結んだパートナーシップ。

LADGはアンドリュー・ホルダー(Andrew Holder)とクラウス・ベンジャミン・フラインガー(Claus Benjamin Freyinger)が2004年に創設した建築デザイングループ。ホルダーは学部時代は政治学を学び、不動産金融の仕事に就いていた。フラインガーは美術史で博士号を取得し、ヴェネチアのグゲンハイム財団に勤務した後、UCLAへ。

 エリー・アブロンズ(→Ellie Abrons)はニューヨーク大学で美術史を専攻した後、ファッションとグラフィックの業界で5年間勤めた。T+E+A+Mのメンバーとして、2016年ヴェネツィア建築ビエンナーレのアメリカ館でDetroit Reassembly Plantを展示。

 A.ホルダーもアブロンズもゼロ年代にシルビア・ラビン(→wiki:Sylvia Lavin)がチェアパーソンを務めるUCLA建築学部の大学院で学び、グレッグ・リンらの影響を受けている。

 ③の例としては、アブロンズの「Another Rock」を取りあげている。

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