ナショナルジオグラフィック2018年6月号 

 PROOF(世界を見る)では南スーダン難民の「ミラーヤ」―刺繍文化。ロールシャッハっぽい模様が好い。

特集の「美の変革者 ピカソ」は、ナショジオがときおり特集する「天才の科学的研究」。
 天才研究のデヴィッド・ヘンリー・フェルドマンによると、prodigy(神童)の語源、prodigiumには「予想外」という意味のほか「好ましくない、ともすると危険なもの」という含みがあるらしい。
 ボストン・カレッジの「芸術と心理研究所」所長エレン・ウィナーは芸術系神童の共通点として「視覚による記憶」と細部への注意力、正確な描写、遠近感の表現を同世代の子どもより早く習得し、さらに習熟への執念が強烈。また、常識を破る強さ、秩序を覆す勇気と先見性が欠かせないという。ほかにも創造性を刺激しあう競合的な環境もあったほうが良いそうで、22歳でパリに出たピカソには、アポリネールやマティス、アンドレ・ドラン、ブラックらがいた。
 ピカソの女性関係の乱脈ぶりについては伏せるのかなと思っていたら、ちゃんと最後に触れていた。ピカソのミソジニーや嫉妬深さは「芸術家の行動は作品評価を左右する」という議論を引き起こしているという。

 ヒューストン大学の ジョゼ・コントラレス・ヴィダル(Jose Luis Contreras-Vidal)の実験(音楽の演奏やダンスの実践者や鑑賞者の頭部に電極つける脳波計測実験)は写真で見るだけでもオモシロイ。



 アーティストの脳科学的研究だけでなく、作品を鑑賞する側の研究、つまり神経美学的なことにも触れている。
 マックス・プーランクには、経験美学研究所があるらしい。神経科学者エドワード・ベッセル(Edward Vessel)は被験者に100点以上の絵画画像を見せ、反応の強さを4段階に分ける実験をおこなった。
 強烈な印象を与えた作品では「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」(→wiki:Default mode network)の活発化が記録されたという。DMNは内面に意識を向け、自らの思考や感情を紡ぎだす。最近よく耳にするDMNについては、アナンサスワーミーの『私はすでに死んでいる――ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』にもスティーヴン・ローレイズ(→wiki:Steven Laureys)の研究紹介のところに記述があった。

 いまやハードウェアのシリコン・バレーとして有名な深セン付近にある大芬油画村は複製画産業が盛ん(大芬油画村)。

 米国で生きるムスリムたちは、「テロリスト=イスラム」イメージによって誤解・中傷を受ける人びとを特集。米国のイスラム教徒は345万人(全人口の1%)、モスクの数は962(1994年)→現在2100以上。
 中南米系といえばカトリックというイメージが強かったが、テキサス州では中南米系のイスラム教徒が増大し、2016年にはヒューストンで「セントロ・イスラミコ」というスペイン語を話す信徒のためのモスクが開設。
 反イスラム犯罪の件数は2013年まで年に10件程度だったが、2015年から急増し、2017年には115件を数えた。



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